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josephspoon

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ヨーロッパに出産祝いに銀のスプーンを贈る風習があり、
その銀のスプーンをデザインだけで無く生産から販売まで行っています。

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実は日本になかった
出産祝いという文化

当時、友人に子供が産まれることが多い時期でお祝い品を探していました。出産祝いを調べてみたところ、お金や紙おむつやベビーカー等の幼児期限定のお祝い品しかあまりありません。日本を含めたアジア圏は産まれることより、お食い初めや七五三など育つことを重要視多文化の発達をしていたからです。海外に目を向けると「銀のスプーンくわえて生まれてきた子供は幸せになる」とのいい伝えのもと、銀のスプーンを贈る風習があることを知りました。その「幸せな文化」を自分たちの手で製作することがデザインの仕事をする上でもとても重要なことと考え、急ピッチで製作をし、販売するに至りました。

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小さい会社にしか
できないこともある

自社で製作するからこそ、現場に何ヶ月も泊まり込みで製作をした商品は失敗の連続でした。スプーンもさることながら木製の箱は上と下がずれる商品に傷がつくため、0.01mm単位で検証を行いました。カンペキな仕上がりと思っても木が空気や湿度で伸縮し形が変わってしまい、そうさせない技法なども同時に編み出していくこととなりました。そういった検証があったからこそ、小さな会社ですが他社では真似のできない製品となりました。こう言う製品は最初からコストや価格を意識しながら製作する流れでは作ることはできなかったと思います。大きな企業ではできない、自分の会社だからできる製作方法があるということです。

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言いたいことが
”ありすぎる”ジレンマ

製作場所にこもってようやく完成した製品。そして調べれば調べるほど想いが深くなる出産祝いの文化。webの製作になると本来デザインの仕事をしているわけですからうまく要点を絞ってデザインをしなくてはいけないところ、どこも削ぎ落とせないたくさんの想いであふれてしまい、最初製作したものは長い文章が垂れ流しのようなものになってしまいました。その道のプロにもかかわらず…。その言葉を骨身を削る想いでスリムにしていくことで「伝えたい」から「伝わる」に変化させ、販売開始から1ヶ月でアシュペーフランス、そしてその2ヶ月後には新宿伊勢丹で企画催事のお話をいただきました。

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衣・食・住、
そして知

企画催事をさせていただくにあたり、多くの商品がある中、出産する方が身近にいるという本当に限られた購入層のなかでしか売れない「josephspoon」をなぜ大きな企画として取り扱っていただけたのか、バイヤーさんに伺ったところ「百貨店は良い商品を売るだけでは無く、衣食住だけではなく、商品の背景など[知]も売っていきたい」とのお話しされていました。今はwebなので簡単に目的のものが手に入ってしまう時代。出向いて買うという行為をお客様にしていただくためにできることは便利なものを単に売る、ということではないんですね!

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いるもの?いらないもの?

デザインの仕事はただかっこよくするもの、ではありません。人の欲求に道筋を立て必要性を持ってアプローチすること。それは単に機能だけの話ではありません。使いにくくても心に残る商品、機能的にいらないけれど手元に置いておきたい商品、そういったロジカルではだけでは語れない「何か」を豊かにすることができるといいなぁと思っています。銀のスプーンは機能的に言うと抗菌コートのプラスチックスプーンには勝てない部分もあるかもしれない。しかし、送り手の気持ち、子供が育ってその子がスプーンを見ながら両親にその時の話を聞く光景。幸せな想像ができませんか?機能的なプラスチックスプーンには作れない価値。そういったことが「文化」だと思うのです。デザインや商品を製作する上でこういった想像を持ちながら製作することがとても重要なことだと感じます。

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